嫁がうつになりまして。~うつ病ママとその夫の記録

うつ病および統合失調症の嫁と暮らすアラフォー夫視点の日常の記録

うつ嫁 生い立ちから見られるその根の深さ

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今日、ボーっとして何故か検索に「死にたい」と入力してしまった。だいぶお疲れなJ氏だと思うけれど、まだここではくたばりたくないかな。苦痛まみれだけどもw 苦悩し過ぎて、この2週間で2kg減った。結果にコミットできるか、楽しみにしておこうじゃあないか。


のっけから余談をしてしまったけれど、サッサと表題の件に映ろうじゃあないか。

最近、僕はこれまでのおこないを悔い心を入れ替えて、嫁と毎日顔を合わせ会話するようにしている。もちろん、するのは会話だけじゃあないけれど・・・ともかく、近年すっかり失われていた「夫婦間コミュニケーション」をしっかり取っていこうと思うんだ。それに、嫁にいつまで会えるかわからないし。とにかく、「できることをできるときにできるだけ、やる。」という自分の鉄則に従っての行動だ。

そうして毎晩嫁と何かしらの話をしていると、今更だけども僕は嫁について未だに知らないことばっかりだということに気づかされる。僕は過去のことはあまり覚えていない人間だし、嫁の過去も詮索したことがない。嫁からはちょいちょいされるけれども、器の小さい僕サイドとしては、元カレ話など不快でしかない(憤怒)。

しかし記憶にかんしては、僕と嫁とでは正反対だ。僕は、過去を忘れてしまいやすい。どんなに印象的な出来事でも、残るのはほんの一部。だから、「ああ、あんなこともあったっけな」と覚えていれば上出来。中には、嫁との間の大事な出来事も忘れてしまっていたりするので、嫁と話が合わずバレて怒られることも。僕は自分の過去も消したいと思って生きてきたせいか、比較的過去のことは忘れやすいのだった。そのせいか、せっかく身体で覚えたことも、しばらくするとキレイさっぱり忘れてしまう。

一方嫁は、覚えているものにかんしては本当によく覚えている。話を聞いていると、まるでそこに出てくる人の息遣いまで聞こえてくるようだ。ただこれは、良い思いでも嫌な思い出も、全てらしい。これは大変だ。後述するけれど、嫁は要所要所で複雑な生き方をする破目になったらしいから。なお、それら記憶とは別に「抹消した」という記憶もあるらしいけれど・・・


ここ最近、このようにして嫁と話して(聞かされて)得たものによれば、嫁は「もしかして、根本なところで愛情不足だったんじゃあないか」と思うようになったよ。そうすりゃ、フーゾク墜ちするのもある程度は納得できるかな。絶対に許せない行為だけども。
僕はあまり昔話が好きじゃあないので今まであまり聞くことはなかった嫁の過去。聞けば聞くほど、「あちゃ、こりゃ非常に面倒な人間と結婚したゾ」と戦慄を覚えるのであった。

嫁はそもそも一人っ子で、両親は嫁の幼い頃に自前の店を立ち上げて忙しかったようだ。そのため、小学校低学年の一時期、親戚のもとへ預けられていたようだ。基本的に親戚はよくしてくれたようだけど、イジメ等もあったようだ。そして、会いたくてもなかなか会えない両親の顔を「忘れようとした」んだそうだ。

親戚のもとでは、友だちとジャンジャン遊ぶわけでもなく、むしろスナックなど大人が通う場所へ頻繁に連れていかれたようだ。そこで、呑みに来ているおっちゃんたちに歌を披露するなどして小遣い稼ぎを覚えたらしい。なんでも、お金を貯めて両親の元へ帰るんだって・・・そのために、おっちゃんたちに気に入られるような仕草も表情も作ることを覚えたんだそうだ。アレ? 何だか今嫁が自らやっていることと似ているような・・・? 親の愛情を満足に得られず、大人に囲まれて育ったみたいだね。思うに、ここからの愛情不足が今も尾を引いているのだろうか。

両親の元へ戻ってからも、嫁は荒れる一方だったようだ。この辺は、僕も嫁やその両親に思い出話として聞いて何となく知っている。
両親の元へ戻ったからといって、充分な愛情を得られたわけではないようだ。というのも、自営業の両親は朝から夜遅くまで店におり、嫁は家庭でいつも独りだったらしい。親は金だけは与えるので、もう好き放題遊んでいたらしい。結構嫁は既に歪んでおり、欲しくもないものを万引きしまくったり(こんなこと、書いていいのかな?)していたそうだ。それでも気が晴れなかったようだけども。

何とか進学した高校でも荒れていたらしい。が、その頃には彼氏がいたので、曰く「彼氏依存体質」という嫁なので、多少は愛情を得られていたものと思われる。でも、両親の環境は相変わらず。ちなみに、嫁のお義父さんは、後年嫁が大人になってからこの辺のことを知ったらしい。嫁とお義父さんの仲はずっと険悪で、後年お義母さんが病気で倒れてから和解した。

その高校生の頃、ずっと一緒にいた幼馴染が死去。まだ10代だった。どこかで触れたかもしれないけれど、僕は今でもこの幼馴染氏の墓参りをしている。僕は面識がないけれど(嫁と会う何年も前にお亡くなりになっているので)、「お兄ちゃん」と呼んでいた彼の死が、今の嫁のメンタル疾患のベースになっている。これについては前から聞いていたので、「まあ、そうなるな」と思う程度だった。

この幼馴染については、家族ぐるみの付き合いだったそうだ。しかし、幼馴染の死を境に疎遠になり、いつしか幼馴染氏の母上もお亡くなりに(墓碑で判明)。嫁はとうとう、彼のお墓に行くことすらしなくなってしまった。元々、死の前後に立ち会えなかったこと、かなり絶ってから彼の死を知ったこと。このせいで、嫁には彼に対する多大な罪悪感が居座ってしまったのだ。今でもたまに言うもんな。「お兄ちゃんの代わりに自分が死ねばよかった」と。んー、たぶん、それ彼は喜ばないと思うな。

そうして大学進学となり、この頃から真面目に学業に取り組んだようだ。幼稚園教諭&保育士になるという進路を選んで、そのために大真面目に勉強したとのこと。ほかでも見られるけれど、こういうときの嫁の集中力はスゴイと思う。

そのまま順調に就職まで行けばよかったんだけど、そうでもないわけで。長年付き合ってきた彼氏にここでフられるのであった。彼氏が嫁の親友とヤッてしまったそうだ。まあ、その、なんだ・・・これで、彼氏という存在に依存の強い(本人弁。なお、今はそうでもない模様)嫁としては、方々に彼氏候補の紹介を頼んだようだ。自称「モテる」と自信満々の嫁なので、それなりにオファーがあったようだ。

ちょいと話が逸れるけれども、実は僕もこのとき嫁を紹介された人間なのであった。紹介した人物が、僕と嫁共通の知り合いでさ。僕も女日照りで、周囲に「女の子紹介して!」と言ってまわっていた時期だったから。けれど実のところ、色々疲れていて彼女が欲しいという精神状態ではなかったかな。実際、嫁を紹介されて遊びに行ったときも、まさか付き合うことになるとは思ってもいなかった。実際、嫁へ引き合わされた男性陣は、職業学歴だけでも結構なメンツばかりだったようだ。僕はまあ、聞けば嫁は長く付き合ってきた彼氏に捨てられ引きずっているというから、新しい彼氏ができるまでの「つなぎ」にでもなれば、心のスキマをちょいと埋められたら・・・そんな程度の思いしかなかったわけだ。それがどうして僕のところへ嫁が来たのかは、自分でもよくわからない。まあ、そのネタはそのうちまた・・・


さあ嫁の人生に話を戻そう。ここから僕が嫁の人生に登場し、以後20年一緒にいることになる。そう、今年2017年は、嫁と付き合いだしてちょうど20年になる。人生の半分くらいは、同じパートナーと居ることになる。それまで、2週間とか3ヶ月とか、短期間で恋愛終了してばかりだった僕からしたら、信じられない。とにかく何がどうなったか覚えていないけれど、僕は嫁のダンナとなり、一緒に暮らすことになった。

嫁はずっと幼稚園教諭をしていて、息子が生まれて退職するまで、ずっと一線で働いていた。毎日クタクタになるまで働いていたけれど、家事も僕よりやっていたし、嫁が一番輝いていたときなんじゃあないかと思う。僕は僕で、頑張って出世しようと思って働きまくったけど、それがよくなかった。育児ノイローゼ気味の嫁をフォローしきれず、結局メンタル疾患罹患を許してしまったのだから。急いで転職して家庭での時間を作れるようにしたけど、遅かったさ・・・

直後、お義母さんが倒れる。生死の境を彷徨い、約3ヶ月意識不明ののちに戻ってきた。嫁は大変衝撃を受け、既に述べたようにここで「うつ病」になってしまった。嫁は何もすることができず、子どもらの面倒は僕が見ていたな。マー君ハンカチ王子の熱い投げあいが思い出される夏の日だった。

嫁のお母さんは、その後障害が残るも回復していった。しかし、往時のお義母さんからの落差に、嫁は悲しむ一方なのであった。嫁なりに、お義母さんの助けになろうと全力で頑張った。それもいけなかったのか、年を追うごとに嫁のメンタルは悪くなっていった。僕がもうちょっと繊細で、アレコレ気づいてやれたら、と今でも思う。

そのお義母さんも2年前に他界。その3年前には僕の母親も逝去している。ウチの母については、嫁曰く「決していい関係ではなかったけれど、色々お世話になったし助けられもした。だから、自分の親と同じくらい(亡くなったことが)悲しい」と言っていた。母親の葬儀では倒れ、車椅子で臨むも耐え切れず病院直行したのはいい思い出だ。オカンもそれくらい悲しんでくれたら、多少はニッコリするだろう。


以上嫁の人生を(主に嫁から聞いた部分で)並べてみたけれど、やっぱり幼少時からして問題だったんだな。フツーに両親がいて、フツーに育った僕にはわからない世界だな。だから、この先もたぶんこの、嫁の愛情不足は理解しきれないだろうと思う。今は病気のせいもあってタガが外れておかしなことになっているけれど、人の死に敏感なのも併せて、根本は幼少期からの愛情不足なんだろう。ここまで一緒に暮らしてきて思うに、それは僕でも埋められない部分なんだろうな。でも、ここを何とかしないと、嫁の病気は治らない気がする。僕にいったい、何ができるんだろう。実際無力感しかないけれど、まあ、生きているうちはできることをできるだけやっていこうと思う。

実は今回のエントリは、僕のためのメモだ。上述のとおり僕は忘れっぽいので、こうしてメモしておくことにした。どこまで持つかわからないけど、まあ頑張ってゆこうじゃあないか。まずは、「食欲が無い」「何もする気が起きない」「日々憂鬱」などといったのをどうにかせねば・・・愛情不足かあ。どうすりゃあいいんだか。

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