嫁がうつになりまして。~うつ病ママとその夫の記録

うつ病および統合失調症の嫁と暮らすアラフォー夫視点の日常の記録

あらためて、嫁の病気と向き合うのは辛いものだ。

f:id:hiroiaozora:20170917134225j:plain


近年、僕は非常に疲れている。精神疾患の嫁を抱え、小学生~高校生の子どもらの面倒を見て、且つ仕事も家事も全て一手に引き受けている。まあ、余程強靭な肉体と精神の持ち主でもない限り、誰でもこうなれば多少は疲れるとは思うけど。

さて、ここのところの一連の出来事で、僕は大いに神経を磨り減らしたような気がする。まあ、コトがコトだけに精神的に重いダメージを受けたので、そう感じるのはしょうがない。それよりも、今後どうしていくかのことの方が大事だ。僕はポジティブな性格ではない。けれど、どうしたって明日はやってくるんだ。進まざるを得ないだろう。そういった意味では、前向きなのかもしれない。

ここで、嫁の精神疾患(特に統合失調症)にたいする僕のスタンスが大間違いだったということに気づいた。気づいた時には既に遅かったんだけども・・・しかし、嫁はまだいる。僕もいる。生きているのなら、離婚しようとも考えていない。嫁のしたことは、夫として許すことはできない。が、僕は嫁を追い込んでしまった。もう二度と、こんな悲しい思いはしたくない。なので、僕は間違ったスタンスを撤回し、嫁の病気とがっぷり四つに組んで向き合うことにしたのだ。


僕はこのところ、毎日嫁と顔を合わせることにしている。どうもちょいとおかしくなってしまったらしく、嫁が目の前にいないとすごく不安なんだ。その不安を出発点としながら、これまで嫁を邪険にしてしまっていた反省からも、嫁と可能な限り会い、話し、ハグすることをしようと誓ったのだ。

嫁に会うのは主に夜中。一応薬はちゃんと飲んでいるので、体調不良でもない限りは比較的マトモなことが多い。なので昔話とか、嫁の(平常時)考えていることなどを話すことができる。とはいえ、嫁は最近ずっと飲酒(缶チューハイ1本)しているので、酔っ払ってしまうまでのことなんだけども。それにしたって、今までどこかへ消え失せていた夫婦間のコミュニケーションが取れるようになったのは嬉しい。同時に、ここ2年の自分を殴りたくなるくらい後悔したけれど。

(よい表現ではないけれど)マトモなときの嫁は、考え等普通に話すことができる。あまり嫁に過去を追体験させるのはよくないとは思うけれど、過去に嫁の行動に疑問を持ったところなどを尋ねたりしてみる。すると案外、しっかり覚えているものだった。

話していて思うのは、嫁もうつ病発症初期から僕の知らないところで苦しい思いをしていたんだな、ということ。初期のうちは、僕はメンタルの疾患を全然理解できないでいた。せいぜい、「調子に波があるんだろう」程度の認識しか持っていなかったと思う。けれど、嫁は「できた筈のことがどんどんできなくなっていく」「自分でもわからない行動をしてしまう」など、彼女なりに病気を認識していったようだ。こうして自分の病気を自分で認識できるのって、かなり辛いんじゃあないかな。僕は己の認識不足を悔いた。

嫁には話したんだ。今までの認識不足・理解不測・フォロー不足を詫びて(もう取り返しがつかないことも多いけど)、これからは嫁の病気に正面から向き合っていくことを。思えば、嫁には随分独りで悩ませた。僕は周辺のフォローをしていたけれど、嫁本体へのフォローを怠ってしまっていた。嫁の悩み苦しみは、なるたけ分かち合いたい。「嬉しいことも、悲しいことも、気持ちは半分こ」。


嫁の病気への自己認識の話やこれまでの振り返りなど、今は単にまだ嫁の病気の正面に立ち塞がっただけだというのに、既にこんなに辛いことなのかと思う。ここ一連の出来事や考え事によって、嫁に巣食っているものの恐ろしさの片鱗を味わった気分だ。今まで本当にゴメン、嫁。

主にうつ病の問題だと思うけれど(どちらかと決めるのもアレだけど)、嫁はやっぱり「ごめんね」「死にたい」という言葉が多い。診断でも、いわゆる「希死念慮」が強いといわれている。これもまた、僕の不安を加速させる要素なんだけど、僕は嫁のそれらの言葉を否定しない。これは今に始まったことじゃあないけれど、殊更意識を強くしている。「ごめんね」⇒「ええんやで(ニッコリ)」、「死にたい」⇒「そうか、寂しいな(別に死ねと言っているわけじゃあない、念のため)」など。でも、「本気で死ぬときは、周到に用意してやる」と言っているし、本当に怖い。

今、あらためて嫁の全てを受け入れようと思っている。今までできていたと思い込んでいた自分が恥ずかしい。病気の症状とそれから起こる嫁の行動を見るのは、本当に辛い。だからいつしか目を背けてしまい、あんなことになったんだ。でももう、僕は目を背けない。嫁の病気とも今一度、しっかりと向き合って一緒に進んでいこうと思う。もっとも、いつ嫁に死なれるかわからない不安はぬぐえないけれど・・・先生、それこそ薬で何とかなりませんかねー?・・・できてたら、とっくにやってるかw

.